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また漁港としての機能も高く、漁業や水産加工業はベルゲンや周辺地域の重要な産業となっており、水産関係の研究所や養殖場もこの地域に集まっている。この港はノルウェー水産輸出額の1/4を取扱っている。
5月中旬から9月初めまでがこの地域の観光シーズンである。ベルゲンはノルウェーのクルーズの首都といわれている。毎年マイアミから1,000t〜17,000tの客船が170隻以上来航し、7万人の観光客がやってくる。またベルゲンはスカンジナビアのマイアミとも言われており、空路や陸路でベルゲンにきて、ここを基地にしてクルーズを楽しむことも出来る。観光シーズンには多くのクルーズシップがベルゲン港を母港にして活動している。ベルゲンでは隔年とに帆走レースが行われ、この時には、ヨーロッパ中から人が集まってくる。ベルゲンは、クルーズの首都であるばかりでなく国際フェリーにおいてもこの国で首位を占めている。ドイツ・イギリス・アイスランド・フェロ諸島等へ6つ以上の国際航路がある。また、多くの国内フェリー航路が、西海岸一帯の散在している集落に広範なサービスを提供している。

 

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(3)石油およびガス
石油とガスはノルウェーの最大の収入源である。ノルウェーの広大な海底油田は、ベルゲンの沖合いにある。ノルウェーは石油の輸出では、ヨーロッパ第1位、世界第3位である。ベルゲンから80kmのTroll油田は、ヨーロッパ最大のガス貯蔵庫で、これを開発するためにベルゲンから55kmのKollsnesにターミナルが1996年に完成し、ここから世界中に向かって船積される。石油についてはMongstadにStatoilの精油所があって年産800万トンの能力を有し、300,000DWTのタンカーの積出施設を備えている。また原油ターミナルは巨大な地下洞窟に15億トンの貯油能力を持っている。

 

(4)今後の発展
市は21世紀の需要に向けて、港湾を発展させることに非常に熱心である。基本的にはクルーズやフェリーや全般的な貨物取扱の関係市場における地位を高くすることである。世界の観光船の85%はカリブ海に集まっており、とくにマイアミはパンク状態になっている。北ヨーロッパの客船需要は少ないので、この需要を喚起することを考えなければならない。対応の一つとしてマイアミと同じ10万トン級の客船埠頭を建設する計画である。また、海外から空路ベルゲンに来て、ここを基地にしてクルーズ観光をするルートを、もっと充実させ、開発していきたいと考えている。

 

 

 

 

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